Fake.



背後に聴こえたかすかな気配は、とても冷たいものだった。


聞き覚えのある、金属音。

それだけで すべてを悟るには 充分すぎた。
殺意をおびた銃口が 僕に狙いを定めている。
つぎはぎだらけで出来た平和を 終わらせるべき時がきたのだ。


その紫色の瞳は 昨日と同じはずなのに、
口元に浮かぶ歪んだ笑みは、僕の知っている “ 兄さん ” じゃない。


『 おまえには、ナナリーを探すための 駒になってもらう 』


思い出したんだね、兄さん。
いや、ルルーシュ・ランペルージ。
それとも、ゼロと呼ぶべきだろうか?

今になって、僕も わかったよ。
あなたのクチから その名を聞く日が
来なければいいと思っていたよ。



血塗られた闇の世界だけで生きてきた僕に
ふいに与えられた、偽りの兄。

見返りも 何も求めない、降りそそぐようなやさしさに戸惑った。
いつの間にか 自然に笑っている自分に驚いた。
そんな感情があるなんて、知らなかったんだ。

昨日までとはまるで違う、毎日。
くだらないと思える命は、迷うことなく握りつぶしてきたというのに
それが刻まれた記憶なのか、本当かすら あいまいになる。
笑顔であふれるこの時間こそが、真実のような気持ちにさえ …



それは、ほんの一瞬のこと。


勝ち誇った悪魔の瞳に 血のような赤い光がともる。

嘘が、嘘に成り果てるのは、
最後まで つきとおせずに終わるからだ。


どんなに取り繕ってみても、真実はたったひとつだけ。


僕も、思い出したよ、兄さん。
僕が、僕である証を。

僕は、ロロ。
勝利を手にするチカラを持つ者。
あなたの弟なんかじゃ ないんだ。

そうであればいいのにと、心の底から思っていたけど。



右目の奥に 意志を集める。
すべての不利を有利にするべく、僕は瞳の翼をひろげた。




fin.


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スザユフィじゃなくて、すみません〜〜〜 m(_ _;)m
R2・3話 行間ねつぞう〜;
もらったロケットを本気で奪われまいとするロロ、
やっぱり淋しがり屋さん?…なんて 誰もが思ったんだろーな、と(笑)



'08 Apr. 24 up




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